후리가나로 읽는 일본 고전
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さとう
麻布襍記 ――附・自選荷風百句
永井 荷風
永井 荷風의 麻布襍記 ――附・自選荷風百句(さとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,256자 · 77화면
それはわが家の近隣坂と崖ばかりなので樹木と雑草とを見ることが多い故である。又引続く富豪の家の樹木は争って其の塀の頂きから道路の上に枝を伸ばしているので、家を出れば直ちに靴を落葉の中に没する事が出来る故である。
市兵衛町の通りには元南部侯の屋敷の塀に沿うて桜の大木が半町ほどもつづいて立っている。桜と榎とは霜を待たず秋となれば直様落葉する事他の木よりも早い。されば麻布に移ってよりわたしは毎年人より早く秋に感ずる機会が多い訳である。霊南坂を降りかけると米国大使館の塀際に立っている公孫樹の黄葉がはらはらと人の面を撲つ。葵橋まで出ると向い側なる三年町の坂道にも亦桜の大木が立っている。氷川明神山王権現また芝の山内はいずれもわが家を去ること遠くはない。現代の東京市中に卜居してかくの如く落葉に親しむ事の出来るのはせめて不幸中の幸である。
落葉は隠棲閑居の生涯の友である。時雨の降る夕落葉の道を過ぎて独り家に帰り、戸口に立ってつぼめる雨傘の上に落葉の二三片止まりたるを見る時の心は清寂の限りである。寒月照り渡る庭に立ち出でて喬木の頂きより落葉の紛々として月光の中に閃き飛ぶさまを看るは悲壮の限りである。