후리가나로 읽는 일본 고전
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 黄金仮面(おうごんかめん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,357자 · 287화면
自室にとじこもった彼は、昼も夜も読書に余念がなかった。彼の室はアパートの二階の表に面した側にあったので、夜は用心深く締め切ったガラス窓と黄色のブラインドを通して、彼の読書する影が、表通りから眺められた。
机が窓際に置いてあった為に、彼の影は、毎晩同じ窓に同じ形で映っていた。時々廻転椅子の向を変えたり、姿勢をくずしたりする様子が、ハッキリした影絵になって、まざまざと眺められた。
夜の読書は八時から十時までと判で押した様に極まっていた。十時がうつと、電燈を消して彼は寝室へ退くのだ。
賊は手も足も出なかった。こちらからアパート内に入り込むことは、最早絶対に不可能だった。といって明智の外出を待っていては際限がない。夜毎に映る窓の影、それを彼等はどうすることも出来ないのだ。玄関には番人の外に近頃では私服刑事まで張り込んでいる。それに表は電車通りだ。とても人知れず二階の窓へ昇る隙はない。仮令昇って見た所で、抜りない明智のことだ。どうせ相当防備の手段を用意しているに相違ない。ひょっとしたら、あのこれ見よがしの窓の影さえ、賊を引き寄せる恐ろしい罠でないとは云えぬのだ。