후리가나로 읽는 일본 고전
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 黄金仮面(おうごんかめん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,357자 · 287화면
天空から、遙かに、賊の不気味な高笑いが降って来るばかりだ。何というふてぶてしさだ。彼はこの絶体絶命の窮地にあってカラカラと笑っている。これが血と肉で出来た人間かと、奇怪な疑惑さえ湧いて来る程だ。
残る手段は、気長に包囲を続けて、彼が疲労の極、降伏するか、地上に落ちて来るのを待つのみである。
騒ぎの内に、日はとっぷりと暮れてしまった。黄金仮面の光りも失せ、巨人の様な高塔が、おぼろに見えているばかりだ。塔上の探照燈は、今夜に限って光を発せぬ。係りのものが怖がって、昇ろうとせぬからだ。
塔の下には、警察や青年団の提灯が群がり、持久戦の陣が布かれた。群集の中には、徹夜の決心で、食料品を買込んで、尻を落ちつける者もある。恐らく警察初まって以来の大椿事だ。場所が東京の真中だけに、先年の鬼熊事件の比でない。商売熱心のある新聞社の如きは、一盗賊の為に号外を発行する騒ぎである。従って、怪賊の噂は東京全市に拡がり、さらぬも黄金仮面の怪談におびえていた市民は、今又別様の恐怖に戦慄しないでいられなかった。
日が暮れて一時間もすると、人々の胸に一種の不安が湧上って来た。怪物は依然として元の場所にいるのだろうか。