후리가나로 읽는 일본 고전
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こころ
こころ
夏目 漱石의 こころ을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,915자 · 322화면
十六
十六
父は時々囈語をいうようになった。
「乃木大将に済まない。実に面目次第がない。いえ私もすぐお後から」
こんな言葉をひょいひょい出した。母は気味を悪がった。なるべくみんなを枕元へ集めておきたがった。気のたしかな時は頻りに淋しがる病人にもそれが希望らしく見えた。ことに室の中を見廻して母の影が見えないと、父は必ず「お光は」と聞いた。聞かないでも、眼がそれを物語っていた。私はよく起って母を呼びに行った。「何かご用ですか」と、母が仕掛けた用をそのままにしておいて病室へ来ると、父はただ母の顔を見詰めるだけで何もいわない事があった。そうかと思うと、まるで懸け離れた話をした。突然「お光お前にも色々世話になったね」などと優しい言葉を出す時もあった。母はそういう言葉の前にきっと涙ぐんだ。そうした後ではまたきっと丈夫であった昔の父をその対照として想い出すらしかった。
「あんな憐れっぽい事をお言いだがね、あれでもとはずいぶん酷かったんだよ」
母は父のために箒で背中をどやされた時の事などを話した。今まで何遍もそれを聞かされた私と兄は、いつもとはまるで違った気分で、母の言葉を父の記念のように耳へ受け入れた。