후리가나로 읽는 일본 고전
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すみだがわ
すみだ川・新橋夜話 他一篇
永井 荷風
永井 荷風의 すみだ川・新橋夜話 他一篇(すみだがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,378자 · 88화면
風采の小綺麗な通行人の後に煩く付き纏って乗車を勧めている。長吉はいつも巡査が立番している左手の石橋から淡島さまの方までがずっと見透される四辻まで歩いて来て、通りがかりの人々が立止って眺めるままに、自分も何という事なく、曲り角に出してある宮戸座の絵看板を仰いだ。
いやに文字の間をくッ付けて模様のように太く書いてある名題の木札を中央にして、その左右には恐しく顔の小い、眼の大い、指先の太い人物が、夜具をかついだような大い着物を着て、さまざまな誇張的の姿勢で活躍しているさまが描かれてある。この大きい絵看板を蔽う屋根形の軒には、花車につけるような造り花が美しく飾りつけてあった。
長吉はいかほど暖い日和でも歩いているとさすがにまだ立春になったばかりの事とて暫くの間寒い風をよける処をと思い出した矢先、芝居の絵看板を見て、そのまま狭い立見の戸口へと進み寄った。内へ這入ると足場の悪い梯子段が立っていて、その中ほどから曲るあたりはもう薄暗く、臭い生暖い人込の温気がなお更暗い上の方から吹き下りて来る。頻に役者の名を呼ぶ掛声が聞える。それを聞くと長吉は都会育ちの観劇者ばかりが経験する特種の快感と特種の熱情とを覚えた。