후리가나로 읽는 일본 고전
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すみだがわ
すみだ川・新橋夜話 他一篇
永井 荷風
永井 荷風의 すみだ川・新橋夜話 他一篇(すみだがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,378자 · 88화면
川向の堤の上には一ツ二ツ灯がつき出した。枯れた樹木、乾いた石垣、汚れた瓦屋根、目に入るものは尽く褪せた寒い色をしているので、芝居を出てから一瞬間とても消失せない清心と十六夜の華美やかな姿の記憶が、羽子板の押絵のようにまた一段と際立って浮び出す。長吉は劇中の人物をば憎いほどに羨んだ。いくら羨んでも到底及びもつかないわが身の上を悲しんだ。死んだ方がましだと思うだけ、一緒に死んでくれる人のない身の上を更に痛切に悲しく思った。
今戸橋を渡りかけた時、掌でぴしゃりと横面を張撲るような河風。思わず寒さに胴顫いすると同時に長吉は咽喉の奥から、今までは記憶しているとも心付かずにいた浄瑠璃の一節がわれ知らずに流れ出るのに驚いた。
※(歌記号、1-3-28)今さらいふも愚痴なれど……
と清元の一派が他流の模すべからざる曲調の美麗を托した一節である。長吉は無論太夫さんが首と身体を伸上らして唄ったほど上手に、かつまたそんな大きな声で唄ったのではない。咽喉から流れるままに口の中で低唱したのであるが、それによって長吉はやみがたい心の苦痛が幾分か柔げられるような心持がした。今更いうも愚痴なれど……ほんに思えば……岸より覗く青柳の……と思出す節の、ところどころを長吉は家の格子戸を開ける時まで繰返し繰返し歩いた。