후리가나로 읽는 일본 고전
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 『たぬき汁』以後(あわもりものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 118,470자 · 244화면
晩秋の農民の眼に映るのである。我々平野の人々は、昔からこの遠山の名を知らなかった。
ただ村人は、あれは信州か甲州の奥山であろうと思っていた。
ところで、あの遠い山をはじめて甲州の八ヶ岳であると断定したのは、私であった。それは私が登山に趣味を持つようになって、甲州や駿河信州の飛騨の山々を歩きはじめた今から三、四十年前のことであった。甲州の甲府の南方釜無河畔から眺めた八ヶ岳と、ある年の晩秋、上新田へ帰省して、西南の遙かな空にあの白い奥山を望んだとき、形の大小遠近こそあれ、全く姿が同じであったので、あれは八ヶ岳であったかと、多年の謎が解けたのである。
赤岳を主峰として八つの嶺が序列正しく白い新雪を冠り、怒れる猛獣が銀の牙を天に向かって剥きだしたに似た姿を遠望したとき、真に凄寒を催さざるを得ない。折柄、秋風空中を掠めて稲刈る人の指先が、ひとりでにかじかむ。
八ヶ岳の雄容はひとりわが上新田ばかりから望めるのではない。高崎市に近い佐野村を通過する信越線の汽車の窓からも前橋公園の桜の土手からも、はっきり眺めることができるのだ。
四月の半ば、桜の花が散るころ、わが故郷には西南の微風が齎した細雨が、しとしとと降ることがある。