후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
山本 周五郎의 ちくしょう谷(ちくしょうだに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,788자 · 138화면
「その話はもう無用だ」
「私はすっかり聞いて頂きたいのです」
「いやその必要はない、話して肩の荷をおろしたいということかもしれないが、その荷をおろすことはできない、それは西沢が一生背負うべきものだし、一生背負いとおす責任があることもわかっている筈だ」
「では、聞いて下さらないのですか」
隼人は立ってゆき、戸納の手文庫の中から、兄の手紙を出して来て、西沢半四郎の前へ押しやった。
「聞く必要のないことは、その手紙を読めばわかる」と隼人は云った、「江戸で兄から貰った手紙だ、読んでくれ」
西沢半四郎はすぐには手を出さなかった。なにが書いてあるかということがわかるからであろう、膝をみつめたまま、やや暫く息をひそめてい、やがて心をきめたように、その手紙を取りあげた。まるで灼熱した鉄でもつかむような手つきであった。
――兄上、どうか彼をごらんになっていて下さい。
隼人は心の中でそう云いながら、西沢のようすを見まもっていた。自分が見るのではなく、自分の眼をとおして兄が見ているようなおもいで、――初め、西沢半四郎の顔には苦悶の表情があらわれた。ついでそれは血のけを失って硬ばり、頬のあたりがひきつった。