후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
山本 周五郎의 ちくしょう谷(ちくしょうだに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,788자 · 138화면
隼人は微笑した、「おかげでよくわかったよ」
帯刀は眼を怒らせて隼人を睨んだ。
木戸では酒は禁じられていた。帯刀は大きなふくべに酒を入れて持って来、夕食のとき隼人にもすすめたが、隼人は禁を盾に拒んだ。六月十四日といえば真夏であるのに、日が昏れると気温がさがって、火のない隼人の部屋は、かなり寒さが強く感じられるようであった。帯刀はふくべから湯呑へ、冷のまま酒を注いで飲みながら、初めのうちは胴ぶるいをしていた。炉の間なら暖かいのだが、帯刀が酒を飲んでいるので、隼人は席を移そうとは云わなかった。塩引の鮭を焼いたのと、山蕗の煮浸し、木の芽味噌という肴も、帯刀にはまったく気にいらないらしく、「いつもこんな物を喰べているのか」と三度も繰り返し訊き、食事は塩からい鮭の茶漬で済ませた。
「酔が出ないようだな」茶を注ぎながら隼人が云った、「炉の間へゆくと火があるぞ」
「いや、ここでいい」帯刀は爪楊枝を使いながら云った、「片づけさせてくれ、話があるんだ」
隼人は鈴を振って、当番を呼んだ。食膳が片づくと、帯刀は少し酔が出たらしく、赤らんだ顔で茶を啜りながら、西沢はどうしているかと訊いた。