후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 ちくま日本文学014 谷崎潤一郎(しゅんきんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,196자 · 169화면
そんな点から考えると、自分の母を恋うる気持はただ漠然たる「未知の女性」に対する憧憬、―――つまり少年期の恋愛の萌芽と関係がありはしないか。なぜなら自分の場合には、過去に母であった人も、将来妻となるべき人も、等しく「未知の女性」であって、それが眼に見えぬ因縁の糸で自分に繋がっていることは、どちらも同じなのである。けだしこう云う心理は、自分のような境遇でなくとも、誰にも幾分か潜んでいるだろう。その証拠にはあの狐の唄の文句なども、子が母を慕うようでもあるが、「来るは誰故ぞ、様故」と云い、「君は帰るか恨めしやのうやれ」と云い、相愛の男女の哀別離苦をうたっているようでもある。恐らくこの唄の作者は両方の意味に取れるようにわざと歌詞を曖昧にぼかしたのではないか。いずれにせよ自分は最初にあれを聞いた時から、母ばかりを幻に描いていたとは信じられない。その幻は母であると同時に妻でもあったと思う。だから自分の小さな胸の中にある母の姿は、年老いた婦人でなく、永久に若く美しい女であった。あの馬方三吉の芝居に出て来るお乳の人の重の井、―――立派な袿襠を着て、大名の姫君に仕えている花やかな貴婦人、―――自分の夢に見る母はあの三吉の母のような人であり、その夢の中で自分はしばしば三吉になっていた。