후리가나로 읽는 일본 고전
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わがははをおもう
わが母をおもう
宮本 百合子
宮本 百合子의 わが母をおもう(わがははをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,398자 · 7화면
父は純真な性格の人で、三十歳ではあったがそれ迄道楽もせずにいました。互に諒解が行ったらしいが、明治三十二年の末頃生れて百日目であった私を連れて、北海道の札幌へ赴任する迄の夫婦の生活は、いつもまわりで嵐が吼え猛っているような有様でした。結婚第一日目から父は祖父と客間で食事をし、母は姑その他と茶の間で食事をし、時にはあんまり二人で話が出来ない日が続くので、手紙を書いて紙つぶてにして話し合ったという思い出話さえ聞いています。
元来母は感情も強く意志も強い、情熱的なタイプの婦人でありました。そのたっぷりした情熱が少女時代の境遇や、まして結婚してからの環境の関係で、すなおに晴々と伸びることが出来ず、いつも不平や憤り、――女であるということの社会的憤懣などの形をとってあらわれた。しかも明治二十七八年、三十七、八年戦役という歴史的な時期を、若い女性の発展期に経験しているので、いわば明治から大正、昭和にかけての日本の文化の進歩的な面とそれと矛盾する古い反動的な面とを一身にそなえていたのでした。生活力が盛んでいわゆる日本婦人的慎しみというものは、一旦こうと思うと平気でかなぐり捨てることの出来る人でした。