후리가나로 읽는 일본 고전
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
渡辺 温의 アンドロギュノスの裔(アンドロギュノスのちすじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,168자 · 267화면
(ははあ、あいつ、不良だな――)と井深君はその時はじめて気が付いた。
気早な冬の陽ではあったし、それに空模様はいよいよ怪しくなって来ていたので、もう四辺の色合はすっかり物悲しげに夕づいて見えた。そのトワイライトの中を風に吹かれて、オレンジ色の大胆らしく大股に遠ざかって行くのを見守っている中に、井深君はどう云うものか、ふと後をつけてみたい誘惑に囚えられたのである。……こんな風に云うと或は井深君を誤解する人があるかも知れない。併し実際は稀にみる温厚の士で、その年になって未だ茶屋酒の味はおろか、飯を食べに這入るカフェだって白粉の臭のしそうな家はひたに敬遠している程の井深君である。ただ、おそろしく気まぐれでその上並々ならぬ空想癖をもっていたために、それが偶々こうした思いがけない調子外れの行為となって現われる迄の事であった。
井深君は外套の襟を深く立て、ついていた蛇紋樹のステッキを小脇にかい込むやもう一町も先の方へ小さく薄れて行くオレンジ色のジャケツを追いかけ始めた。井深君は人並より背の高い方であったし、女の足の一町程ならば容易に取り返すことが出来た。が、そう早く追い付いてしまったところで、さてどうにもならない話なのである。