후리가나로 읽는 일본 고전
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
渡辺 温의 アンドロギュノスの裔(アンドロギュノスのちすじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,168자 · 267화면
彼がスフィンクスであったにしても、私共はともかくその位の親密な体裁にはいきおいならざるを得なかった。ミハエル某と云う彼の名前も私はおぼえた。
その日もひどく覚束ない空模様で、天気予報も雨天を報じているのに拘らず未練がましく出かけて行った私が、電車を降りた時にはすでに、霧雨がしんしんと不忍池の面をこめて降っていた。私はレインコオトの襟を立て、池の縁にあるからたちの垣根の前にぼんやり佇んだが、すぐに電車道に沿って色の褪せた博覧会の正門の方から、洋傘を阿弥陀に傾けながら、私の方へ向かって歩いて来る我がミハエルの姿が目に入った。先方では私に気がついたらしく、何時もするように優しく微笑してうなずいて見せた。
私共は一本の傘に入って山下の方へ出た。
――今夜おひまですか?」とミハエルはふとそんなことを訊いた。
――ええ、別に。」と私は答えた。
――それでは、今晩はお酒を飲みましょう。」
――いいですね。」
私は彼の唐突な言葉に些か驚いたが、彼と一晩酒をのんでいろいろ語り合うことはもとより願うところであった。
私共はそれから、程近い郊外にある私の心やすい小いさな酒場へ行った。