후리가나로 읽는 일본 고전
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
久生 十蘭의 ノンシャラン道中記(ノンシャランどうちゅうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,357자 · 27화면
途中マルタ島で珊瑚採取の実況を見物してマルセーユへと到着すれば、七月十四日は革命記念日を兼ねプロヴァンス、ラングドック一帯の大祭につき、アルルの闘牛場では、今年の皮切りの闘牛が催されるので、マルセーユはもちろん、プロヴァンス一帯は湧きかえるような前景気。
とりわけ、今年の催し物は、例年の闘牛のほかに、近県六市から荒牛の代表を一頭ずつ選び、牛の競走やら牛の角力を行なうというので、元来お国自慢の南部の面々、日ごろたしなむ舌術に拍車をかけ、己が郷里の牛こそは、天が下にたぐいまれな荒れ大王と、珈琲店の露台でも四つ辻でも、たがいに物凄い法螺の吹き合いから、果てはつかみ合いに及ぶという見るも勇ましき盛況。
そもそも今年の牛角力の番付けには、
一、爆撃機。(タラスコン代表)
二、ヘルキュレス。(マルセーユ代表)
三、山猫。(カマルグ代表)
四、東方魔国王。(ニーム代表)
五、活火山。(アルル代表)
六、屠牛所長。(アヴィニョン代表)
と、その名を聞いただけでも、気の弱い牛ならば貧血を起こそうという慓悍無比の猛牛ぞろい、なかにも、マルセーユ代表のヘルキュレスというのは、当年満三歳の血気盛り、相手の前肢に角をからみ、とたんにやっ! と、捻じ倒す『足挾み』