후리가나로 읽는 일본 고전
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パンドラのはこ
パンドラの匣
太宰 治의 パンドラの匣(パンドラのはこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,644자 · 386화면
同室の先輩たちを紹介しよう。僕のとなりは、大月松右衛門殿だ。その名の如く人品こつがら卑しからぬ中年のおっさんだ。東京の新聞記者だとかいう話だ。早く細君に死なれて、いまは年頃の娘さんと二人だけの家庭の様子で、その娘さんも一緒に東京からこの健康道場ちかくの山家に疎開して来ていて、時々この淋しき父を見舞いに来る。父はたいていむっつりしている。しかし、ふだんは寡言家でも、突如として恐るべき果断家に変ずる事もある。人格は、だいたい高潔らしい。仙骨を帯びているようなところもあるが、どうもまだ、はっきりはわからない。まっくろい口髭は立派だが、ひどい近眼らしく、眼鏡の奥の小さい赤い眼は、しょぼしょぼしている。丸い鼻の頭には、絶えず汗の粒が湧いて出るらしく、しきりにタオルで鼻の頭を強くこすって、その為に鼻の頭は、いまにも血のしたたり落ちるくらいに赤い。けれども、眼をつぶって何かを考えている時には、威厳がある。案外、偉いひとなのかも知れない。綽名は越後獅子。その由来は、僕にはわからないが、ぴったりしているような感じもする。松右衛門殿も、この綽名をそんなにいやがってもいないようだ。