후리가나로 읽는 일본 고전
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パンドラのはこ
パンドラの匣
太宰 治의 パンドラの匣(パンドラのはこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,644자 · 386화면
勉強しようと、つくづく思う。この一箇月間、自分にはなんの進歩も無かったような気がする。たまらなく、あせった気持である。本当に、ことしこそ、むらのない勉強をしてみたい。去年は毎日毎日、ガタピシして、こわれかかった自動車に乗っているような落ちつかぬ気持で暮して来たが、ことしになって、何だか、楽しい希望も生れて来たような気がする。もうすぐそこに、手をのばせば、何だか暖い、いいものが掴めそうな気がして来た。
十七歳。ちょっと憎々しい年である。いよいよ真面目になった気持である。急に、平凡な人間になったような気もする。もう、おとなになってしまったのかも知れない。
ことしの三月には、入学試験もあるのだから緊張していなくてはいけない。やはり一高を受けるつもりだ。そうして、断然、文科だ! 去年、たぬきに二、三度やられてから、理科のほうはふっつり思い切ったのだ。兄さんも賛成してくれた。「芹川の家には、科学者の血が無いからな。」と言って、笑っていた。さて、僕は、文科を選んだからって、兄さんほどの文科的才能が、あるかどうか、そいつは疑問である。だいいち僕には、一高英文科に入学できる自信がない。