후리가나로 읽는 일본 고전
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パンドラのはこ
パンドラの匣
太宰 治의 パンドラの匣(パンドラのはこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,644자 · 386화면
「筆記試験は無いのですか?」へんに拍子抜けがして、僕は尋ねた。
「生意気言うな!」末席の小柄の俳優、伊勢良一らしい人が、矢庭に怒鳴った。「君は僕たちを軽蔑しに来たのか?」
「いいえ、」僕は胆をつぶした。「だって、筆記試験も、――」しどろもどろになった。
「筆記試験は、」少し顔を蒼くして、上杉氏が答えた。「時間の都合で、しないのです。朗読だけで、たいていわかりますから。君に言って置きますが、いまから台詞の選り好みをするようでは、見込みがありませんよ。俳優の資格として大事なものは、才能ではなくて、やはり人格です。横沢さんは満点をつけても、僕は、君には零点をつけます。」
「それじゃ、」横沢氏は何も感じないみたいに、にやにやして、「平均五十点だ。まあ、きょうは帰れ。おうい、つぎは四ばん、四ばん!」
僕は軽く一礼して引きさがったのだが、ずいぶん得意な気持も在った。というのは、上杉氏は僕を非難しているつもりで、かえって僕の才能を認めていることを告白してしまったからである。「大事なものは、才能ではなくて、やはり人格だ。」と言ったが、それでは今の僕に欠けているものは人格で、才能のほうは充分という事になるではないか。