후리가나로 읽는 일본 고전
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パンドラのはこ
パンドラの匣
太宰 治의 パンドラの匣(パンドラのはこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,644자 · 386화면
合宿所のほうに行っているのかも知れない。合宿所までたずねて行くほどの情熱も無く、そのまま家へ帰った。
家へ帰ったら、鴎座から速達が来ていた。合格である。「今回の審査の結果、五名を研究生として合格させた。貴君も、その一人である。明日、午後六時、研究所へおいであれ。」というような通知である。少しも、うれしくなかった。不思議なくらい、平静な気持であった。R大合格の通知を受けた時のほうが、まだしも、これより嬉しかった。僕にはもう、役者の修業をする気が無いのだ。きのう、上杉氏から俳優としての天分を多少みとめられて、それだけは、鬼の首でも取ったように、ほくほくしていたのだが、けさ、眼が覚めた時には、その喜びも灰色に感ぜられて、なんだ、才能なんて、あてにならない、やっぱり人格が大事だなどと、まじめに考え直してしまっている。この、気分の急変は、どこから来たか。恋を、まったく得てしまった者の虚無か、きのう鴎座の試験の時に無意識で選んで読んだ、あの、ファウストの、「成就の扉の、開いているのを見た時は、己達はかえって驚いて立ち止まる。」という台詞のとおり、かねて、あこがれていた俳優が、あまりにも容易に掴み取れそうなのを見て、うんざりしたのか。