후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ヘヤーピンいっぽん
ヘヤーピン一本
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 ヘヤーピン一本(ヘヤーピンいっぽん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,246자 · 17화면
一本のヘヤーピン、ではない、ただヘヤーピン一本、そのことだけがすっきりと、俺の心に残ったのは、何故であろうか。そのことだけが純粋で、他はみな猥雑なのであろうか。
パイプが煙脂でつまっていた。廊下に出てみると、女中が通りかかった。それを呼びとめて、パイプを振ってみせた。
「これが、つまっちゃったんだ。なにか、通すものはないかね。針金かなにか、なんでもいいんだが。」
女中はちょっと足をとめたが、パイプの方はろくに見ようともしない。
「針金………そんなもの、ないねえ。」
「針金でなくてもいいんだが……。困ったなあ。」
実は、パイプがつまったといっても、シガレット用のものだから、パイプなしでじかに吸えば宜しく、さして困ったわけでもない。それでも、女中に軽くあしらわれて、俺はちょっとまごついた風だった。
その時、廊下の向う側の室は、入口の襖が半分ばかり開け放しになっていて、奥の方に、四五人の男女の話し声がしていた。その中から、突然、女の声が響いてきた。
「これでどう? あげるから、使いなさいよ。」
顔も姿も見せず、手先だけが襖のかげから出て、一本のヘヤーピンを差出している。