후리가나로 읽는 일본 고전
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
梅崎 春生의 ボロ家の春秋(ボロやのしゅんじゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,411자 · 263화면
ふん、といった顔をするだけなのです。
仲人になって貰って以来、親しくつき合うようになっても、今思うと、猿沢佐介はどうも蟹江に対して、妙な隔てがあるようでした。つまり、わだかまりみたいなものが、猿沢にはあったようです。その頃は、蟹江は、それをあまり気にかけていませんでした。照れくさがっているのだろう、と思っていたのです。まさか俺を嫉妬したり、憎悪したりするわけはないだろう。ちゃんと借金も払ってやったのだからな。しかも一万二千円も!
ところがその猿沢佐介が、久美子が死んで以来というものは、彼に妙に親切めいた言葉をかけたり、慣れ慣れしく動作したりするようになったのでした。あの久美子が死んだ日も、猿沢は彼の家にやってきて、泣いている彼の背中をたたきながら、
「ああ、泣くがいい。泣くがいい。泣いて悲しみをすっかり流してしまえばいいんだよ」
などと、猫撫で声でなぐさめて呉れたのです。その言葉に刺戟されて、彼はなおのことしくしくと泣きむせんだのですが、今思うと、どうもあの言葉の調子は、勝ち誇ったものが打ちひしがれたものに対する、ある優越感がこもっていたような気がする。