후리가나로 읽는 일본 고전
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リギさんじょうのいちや
リギ山上の一夜
斎藤 茂吉
斎藤 茂吉의 リギ山上の一夜(リギさんじょうのいちや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,621자 · 14화면
僕は初めて維也納で冬を越したとき、宿の婆さんに頼んでようやく四角なブルキ製の湯婆を見付けてもらったのであったけれども、それではやはり駄目であった。そこで僕は欧羅巴の人々は湯婆を余り用いぬものと観念して、冬の夜を宿に帰って寝るまでは大部分カフェで過ごすようにしたのであった。しかるに独逸の民顕に来てみると此処には完全な銅製のものからブルキ製のものまで湯婆が揃っており、また机に向っていて足を暖める電気為掛の装置も出来ていたので、僕は寒さの厳しい民顕の冬を凌ぐことが出来た。
電燈を消してから暫くになるが、妙に僕の目が冴えている。夜は静かで、沁み透るようである。虫の音なんかも聞こえず、雁のこえなんかもしない。妻はいつの間にか幽かな息をしながら寝入ったらしい。
湯婆に触って見ると未だ冷めずにいる。観念のつながりは、所詮僕の妻は、天竺のむかし難陀の妻孫陀利のようには行かぬということに落ちて行った。しかし大迦葉は、清浄な顔をしていた妻の妙賢女と合会することなしに十二年を経たとも聞いている。僕の観念のつながりはそういうところにも落ちて行った。さて僕はやや諸国を遍歴して今アルプス山脈の中にいるのであるが、日本の国土にいるような気もしている。