후리가나로 읽는 일본 고전
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せんきゅうひゃくにじゅうくねんいちがつ――にがつ
一九二九年一月――二月
宮本 百合子
宮本 百合子의 一九二九年一月――二月(せんきゅうひゃくにじゅうくねんいちがつ――にがつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,457자 · 23화면
口がかわく。手をのばして椅子の上においてあるミカンをとり、汁を吸う。五分もすると又干く。今度は鉱泉をのむ。暗い室内から、扉の上の硝子をとおして廊下の天井が燈を反射して居るのが見える。反射する明りは 私の顔に届くほどきつくはない。森とした夜中だ。
暫くすると、どこかで病人が呻り出した。声の見当は廊下を越して左側の室から洩れる。
重い病人の苦しむ時刻というものは大抵定って居る。午前一時二時三時。地球の引力の関係。家のむねが三寸下るうしの刻。アンドレーフの小説に深夜の病院を書いたのがあった。それ等を切々に考え乍ら呻り声をきく、自分は猶ミカンの汁と鉱泉とをちゃんぽんにのんだ。
二日目の夜、やはり午前一時近く目をさました。同室患者の寝息――時計の音――廊下の天井をてらすぼんやりした明るさ――十数年前の夏東京の大学病院小児科の隔離室に暮したことがあった。英男が三つで疫痢を病って入院して居た。自分は十二位だった。母と病室に泊った。深夜氷嚢をかえに行くのが自分の役であった。
廊下は長かった。夏の夜に電燈があつくるしく赤っぽかった。その下をずっと自分の踵からあまる草履の音だけをきいて通り、右側の薄暗い室に入る。