일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちしょうにんとして

一商人として

相馬 愛蔵

相馬 愛蔵의 一商人として(いちしょうにんとして)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 114,895자 · 222화면

아오조라 문고

相場は魔物だ、中村さんも魔物に憑かれてやりそこなった、と世間の人々は言うのであった。しかしなおよく聞いて見ると、この夫妻は商売に熱心ではあったが、だいぶ享楽的であった。朝も昼も忙しいが、その間にも肴を見つくろっておくことは忘れず、日が暮れれば夫婦で晩酌をくみ交して楽しむ。そういう時雇人たちは自然片隅に遠慮していなければならなかった。むろん美食は自分たちだけのことであって、職人や小僧女中たちはいわゆる奉公人並みの食事、昔からある下町の商家のきまりともいうか、とにかくこの差別待遇で、万事に主人側と雇人との区別がきちんとしていた。

それから夫妻とも信心家で、二十一日は川崎の大師様、二十八日は成田様、五日は水天宮様、というふうに、お詣りするところがなかなか多い。むろん中村さんとしては商売繁昌をお願い申しに詣るのであって、これも商売熱心の現れには違いないが、同時に楽しみでもあって、夫婦ともその日は着飾って出かけて行った。いったいにみなりを構う方で、流行に応じて着物を拵えていた。

これでは主人夫婦の生活費と小遣いに店の売上げがだいぶ引かれ、一方雇人たちは粗食に甘んじて働かねばならぬ。