후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
いちしょうにんとして
一商人として
相馬 愛蔵
相馬 愛蔵의 一商人として(いちしょうにんとして)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 114,895자 · 222화면
お勝手口から『中村屋でございます』と御挨拶すると、奥からわざわざ奥様がお出ましになって『まあ中村屋さん、こんな所からでなく玄関の方におまわり下さい』といとも御丁重な応待で、かえってこちらが恐縮しました。目白の女子大学の寮のお勝手口にもたびたび伺いました。これがまたお客様と店との親しみを深める因にもなり、双方で商売を離れた一種の情味を生じました。御用伺いに出る小僧に『この頃おかみさんの姿が見えないが、変りはないか』とお尋ねに預かり、私は産褥でこれを聞いて心から有難く思い、またそちらにおめでたがあれば嬉しく、御不幸ときいては心が痛みました。
新宿に移ってからはおとくいも多く、また広範囲にわたって、それに交通はまだ今のようでなく、ことに郊外は泥濘膝を没する有様でしたから、霜どけ路に進退きわまり立往生することもしばしばでしたが、年に一度の年始まわりだけはどうしても私がすることにしていました。それが昭和三年まで続きました。そのうち私はだんだん健康を害し、やむを得ず次女千香子に代理させました。千香子の結婚後は長男安雄が後を受けて年々続けて来たのでしたが、だんだんおとくいが増加し、また店に来て頂くお客様の方が幾倍する状態となってついに本郷以来の慣例を、不本意ながら廃せねばならない次第となりました。