일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちしょうにんとして

一商人として

相馬 愛蔵

相馬 愛蔵의 一商人として(いちしょうにんとして)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 114,895자 · 222화면

아오조라 문고

私に言わせるならば、物価暴騰の際には何時かそれが旧態に復する日があることを予想すべきであって、その考えもなしに景気の好調にまかせて買い進み、上が上にも利を占めようとするなどはじつに愚かの極みである。物価が正常のところに復するのはいつであるか、その時期は容易に判らぬとしても、十円に仕入れたものが景気に乗って二十円三十円にも売れるなどということは決して尋常の沙汰でなく、儲かってもそれは不当利得である。すなわちその不当なる利益は別途に貯えておき、やがての反動期に備えるのが商人としての良心であり、また一般人の常識であらねばならない。

我々の同業者の中でも、景気に乗って思惑買いをして、一時は大いに儲けたものもあった。何しろ当時は一俵二十二円であった砂糖が、三十円になり四十円になり、終には五十五円にまで騰り、この調子では七十円くらいまで行くかも知れぬと予想されたものであった。そこで五十余円の砂糖を幾百俵も買って予想の高値を当て込んだ同業者があったが、気の毒にも次に来たものは滅茶滅茶の暴落であった。

私は最初から、思惑買いはさておき、実際に使用する砂糖でさえも買置きせず、必要量だけを購入してこの変則の場合を凌いでいたので、五十五円が一時に三十円まで下落した際も、私のところには一俵の手持もなかった。