일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちしょうにんとして

一商人として

相馬 愛蔵

相馬 愛蔵의 一商人として(いちしょうにんとして)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 114,895자 · 222화면

아오조라 문고

こうして試みること三ヶ月、パンは将来大いに用いられるなという見込がついた。もうその年も十二月下旬であったが、萬朝報の三行広告に「パン店譲り受け度し」と出して見ると、その日のうちに数ヶ所から、買ってくれという申し込があった。がその中につい近所帝大前の中村屋があったのにはびっくりした。それは私がこの三ヶ月間毎日パンを買っていた店で、しかも場所柄なかなか繁昌していたから、まさかその中村屋が売りに出ようとは思いもよらなかったのである。話をして見ると、商品、竈、製造道具、配達小車、職人、小僧、女中、といっさいを居抜きのまま金七百円で譲ろうという。

さてその金策であったが、幸い同郷の友人望月幸一氏に用立ててもらうことが出来て、首尾よく交渉成立し、九月以来の仮寓を引き払っていよいよ中村屋に移ったのは、その年も押し詰った十二月三十日であった。その日から私はパン屋となったのである。

これで中村屋という屋号の由来も解ってもらえるであろう。中村屋はこうして偶然に譲り受けた名であって、世間で想像されるように相馬中村の因縁があってつけたものではないのである。

さてその本郷の中村屋だが、私はそこで明治四十年まで営業した。