일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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よにでるまで

世に出るまで

坂口 安吾

坂口 安吾의 世に出るまで(よにでるまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,557자 · 15화면

아오조라 문고

そのとき私は数え年で二十六であった。

その翌年であったか、井上友一郎、田村泰次郎、矢田津世子、真杉静枝等の諸氏と「桜」という同人雑誌をやった。ちょッとおくれて北原武夫なぞも参加した。私がこの同人になったのは矢田津世子に惚れていたからだ。ぞっこん、という言葉はこういう時に用いるのであろう。矢田津世子以外の女は目につかぬぐらい惚れてしまった。ダラシのない惚れ方である。しかもそれを打ちあけることができないという気の弱さであった。若くして死んでしまったが、同人の河田誠一という詩人がたまりかねて、私の心を伝えに矢田津世子を訪ねて談じこんでくれたことがあったそうだ。

私はこの愛情に疲れきってしまった。そして、全然愛していないあるバーの女と同棲したのは、矢田津世子を忘れたい一念であった。自分をバカにしたい一念からであった。私は私自身をバカにし突き放してしまいたい一念であったに拘わらず、矢田津世子は私に裏切られたような怒りをいだいたようであった。思いもよらないことであった。

そのころ尾崎士郎と知りあった。そもそもの動機は、尾崎士郎が私に決闘を申しこんできたのである。