일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちゅうせいのぶんがくでんとう

中世の文学伝統

風巻 景次郎

風巻 景次郎의 中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 115,977자 · 230화면

아오조라 문고

大空は梅が香の艶なにおいに朦朧として、月も曇りに近い霞み方である。静艶の夜気の中に身を任せては、梅の香にそのかみの親しかった人の移り香を想うが、もとより寂としてすべては再びくることのない思い出の上に、月の光のみがありしにかわらぬ影を投げている。やがて桜も咲きそめる。尋ねきて遊び暮した桜の木の間は、たそがれゆくままに、山の端には月が上る。うたたねの夢とうつつが揺れ交る寝覚め、風に吹かれて袖のあたりになびく花の香は、春夜の夢の尾を引いて、またしてもありし昔の人の姿を描かせる。早くも花は散り時である。山桜の花は幾重もかさなりて、木のもとの苔の青さも見えぬほどである。水に散っては水を蔽って、こぎゆく舟のあとをくっきりきわ立てる。

こうした春の自然とそれに融けあう人の心とのふしぎな織物に、古人も魅惑を感じたらしいが、今もってこうした幻影はそのころの人たちを、静観的な自然観照家であり、自然をながめつつ夢想に耽る人たちとして思い描かせる。ともあれ彼らは優美で繊細で、色彩的な絵画的な感覚に秀でて、教養人である。閑雅の文人である。私どもは彼らが春風に袂をなぶらせて羅生門の丹楹白壁の楼から左右にながく流れる平安城の築地のくずれを背にして、または朱雀大路の柳と桜とのやわらかな下蔭にたたずむように考える。