후리가나로 읽는 일본 고전
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えいがをつくるはなし
中谷宇吉郎集 第三巻
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 中谷宇吉郎集 第三巻(えいがをつくるはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 46,667자 · 95화면
雪後記
今年の冬は、二度十勝岳へ行った。
そしてそれは、私にとっては、誠に待望の十勝行の再挙が遂に成ったものであった。
冬の十勝行ももう旧い話で、実のところ、今ではもはや私たちの仲間の雪の研究の生活の中では、何も事新しい話ではない。しかし私自身にとっては、あの五年前の冬の十勝行が名残りとなってしまっていたのである。というのは、その後ずっと健康に恵まれなかった私には、再びあの十勝の雪に埋れながら顕微鏡を覗き暮す生活が巡り来ようとは思われなかったからである。
四冬にかけて、冬毎に遠く十勝の雪を思い見る日が続いた。そして暖かい伊豆のいで湯に浸りながら漸くに貯えた乏しい生命を、少しずつ小出しに出して、時々札幌へ帰って来ては、思い出の雪の結晶の様々を、低温室の中で人工的に作って見るという生活を続けていた。そういう暢気なようで、しかも心の底に何か切迫したところのある生活にも到頭別れる日が来た。そしてすっかり健康を恢復した私は、暮のうちからもう今度の十勝行の再挙について、本当に晴れやかな気持で心準備をするようになっていた。
今年の二月一日の朝は、例年になく寒い朝であった。