후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ふたつのみち
二つの途
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 二つの途(ふたつのみち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,102자 · 104화면
二
」と彼は尋ねた。
「ええ、まだですわ。」
「この頃よく写生に出かけるようだね。」
「何でも、非常にいい景色を見付けたとか仰言っていらしたわ。」
二人はそれきり黙っていた――看護婦が湯から戻ってくるまで。
二
木下正治は、絵具箱のカバンを肩にかけ、十五号大のカンヴァスを重そうに左の小脇に抱え、右手を外套のポケットにつっ込んで、首垂れながら、荒凉たる晩冬の野を帰って来た。兎もすると、彼の足は引ずり加減になっていた。自分の製作に対する焦燥と不満とを心の底に押えつけて、じっと考えに耽っていた。自分の製作が何物かに裏切られていると同じように、自分の心も何物かに裏切られてはしないかという、漠然とした不安の念が寄せて来た。然し彼の瞑想は、その何物かの本体を探りあてようとする努力よりも、その何物かを抑えつけようとする努力の方に向いていた。
野の間をぬけて、大きな銀杏の木のある人家の角を曲って、自分の家が向うに見える処まで来ると、彼はふと顔を挙げて思い出したように足を早めた。
家にはいると、丁度信子が其処に顔を出した。彼女の窶れた顔に浮んでいる弱々しい微笑の影を見ると、彼は我知らず安心の情を覚えた。