후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたりのもうじん
二人の盲人
平林 初之輔
平林 初之輔의 二人の盲人(ふたりのもうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,366자 · 13화면
一
一
復興局の一技師の手が、大東京市の地図の上に、縦横に朱線をひいていく。個人の既得権も利害関係も、センチメンタルな詠嘆も、すべてを無視して、彼のペンは気まぐれに地図の上を、走っていく。
○○山の切り通しの上の、四十坪ばかりの土地を、天にも地にも、たった一つの財産として父祖幾代の昔から受けついできた、玄療院の屋敷も、無慈悲な都市計画の犠牲となって、市の中央へ通ずる放射線の道路新設のために、半ば以上切り取られることになった。
この都市計画案が発表されてから、玄石は急に憂鬱になった。子供の時に、盲目になった彼は、このささやかな父祖伝来の財産を、少年時代の思い出で、十重二十重に包んでいた。彼にとっては、それが全世界だった。狭い家の中の様子はもとより、庭内の一木一草に至るまで彼の死んだ網膜の底に、二十年前のままの新鮮さをもって、焼きつけられていたのだ。
彼の視覚に残っている記憶は、ただこの四十坪の世界だけだった。それは無限に複雑な色彩をもって、二十年一日のように彼の眼底に保存されていたが、その他の世界は、彼にとっては一様に灰色だった。
若干の賠償金を、手に握らされて、その代わりに彼は、いま全世界を失おうとしているのだ。