후리가나로 읽는 일본 고전
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『いぶせますじせんしゅう』こうき
『井伏鱒二選集』後記
太宰 治의 『井伏鱒二選集』後記(『いぶせますじせんしゅう』こうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,132자 · 20화면
第四巻
しかし、事態は、そこまで到っている。皆、呑むつもりなのだ。早稲田界隈の親分を思いがけなく迎えて、当然、呑むべきだと思っているらしい気配なのだ。
私は井伏さんの顔を見た。皆に囲まれて籐椅子に坐って、ああ、あのときの井伏さんの不安の表情。私は忘れることが出来ない。それから、どうなったか、私には、正確な記憶が無い。
井伏さんも酔わず、私も酔わず、浅く呑んで、どうやら大過なく、引き上げたことだけはたしかである。
井伏さんと早稲田界隈。私には、怪談みたいに思われる。
井伏さんも、その日、よっぽど当惑した御様子で、私と一緒に省線で帰り、阿佐ヶ谷で降り、(阿佐ヶ谷には、井伏さんの、借りのきく飲み屋があった。)改札口を出て、井伏さんは立ち止り、私の方にくるりと向き直って、こうおっしゃった。
「よかったねえ。どうなることかと思った。よかったねえ。」
早稲田界隈の下宿街は、井伏さんに一生つきまとい、井伏さんは阿佐ヶ谷方面へお逃げになっても、やっぱり追いかけて行くだろう。
井伏さんと下宿生活。
けれども、日本の文学が、そのために、一つの重大な収穫を得たのである。
第四巻