후리가나로 읽는 일본 고전
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『いぶせますじせんしゅう』こうき
『井伏鱒二選集』後記
太宰 治의 『井伏鱒二選集』後記(『いぶせますじせんしゅう』こうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,132자 · 20화면
」
と断わられたことがある。その南伊豆の温泉に達するには、東京から五時間ちかくかかるようだったが、井伏さんは女将にそう言われて、ただ、
「はあ。」
とおっしゃっただけで、またも釣竿をかつぎ、そのまま真直に東京の荻窪のお宅に帰られたことがある。
なかなか出来ないことである。いや、私などには、一生、どんなに所謂「修行」をしても出来っこない。
不敗。井伏さんのそのような態度にこそ、不敗の因子が宿っているのではあるまいか。
井伏さんと旅行。このテーマについては、私はもっともっと書きたく、誘惑せられる。
次々と思い出が蘇える。井伏さんは時々おっしゃる。
「人間は、一緒に旅行をすると、その旅の道連れの本性がよくわかる。」
旅は、徒然の姿に似て居ながら、人間の決戦場かも知れない。
この巻の井伏さんの、ゆるやかな旅行見聞記みたいな作品をお読みになりながら、以上の私の注進も、読者はその胸のどこかの片隅に湛えておいて頂けたら、うれしい。
井伏さんと私と一緒に旅行したことのさまざまの思い出は、また、のちの巻の後記に書くことがあるだろうと思われる。