후리가나로 읽는 일본 고전
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じんぞうにんげんじけん
人造人間事件
海野 十三
海野 十三의 人造人間事件(じんぞうにんげんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,654자 · 30화면
1
理学士帆村荘六は、築地の夜を散歩するのがことに好きだった。
その夜も、彼はただ一人で、冷い秋雨にそぼ濡れながら、明石町の河岸から新富町の濠端へ向けてブラブラ歩いていた。暗い雨空を見あげると、天国の塔のように高いサンタマリア病院の白堊ビルがクッキリと暗闇に聳えたっているのが見えた。このあたりには今も明治時代の異国情調が漂っていて、ときによると彼自身が古い錦絵の人物であるような錯覚さえ起るのであった。
通りかかった火の番小屋の中から、疳高い浪花節の放送が洩れてきた。声はたいへん歪んでいるけれど、正しく蒼竜斎膝丸の「乃木将軍墓参の旅」である。時計の針は九時を廻って、九時半の方に近づきつつあるものらしい。さっき喫茶店リラで紅茶を啜っていたときには、八時からの演芸放送のトップとして、ラジオドラマ「空襲葬送曲」が始まったばかりのところだったが。
葬送曲だの墓参だのと不吉なものばかり並べて、放送局も今夜はなんという智慧のないプログラムを作ったのだろう。然し不吉なものが盛んに目につく時は、その源の必ず大きな不吉が存在しているものだ。帆村はそれを思ってドキンとした。