후리가나로 읽는 일본 고전
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 人間豹(にんげんひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,989자 · 311화면
この勇敢な愛犬家の顔を確かめて、一とこと口がききたかったのである。だが、どうしたことか、熊公は、しりごみをして動こうともしない。
「おい、どうしたっていうんだ」
振り向いて見ると、彼の愛犬はまるで狼のように、背中の毛を逆立て、上唇に恐ろしい皺を寄せ、歯をむき出して、喉の奥で遠雷みたいな音を立てている。どうも不思議だ。老犬熊公がこんなそぶりをするなんて、めったにないことであった。
親方は力の強い犬のために、だんだんうしろへ引きずられながら、樹立のあいだへ身を隠すようにして、前方の人影を見つめた。
二匹の犬を連れた異様の人物は、樹蔭を出て常夜燈の薄明かりの下を右から左へと横ぎっていた。黒い詰襟の服を着た痩せたお爺さんだ。まっ白な頭髪、それに房々とした白ひげが胸まで垂れている。親方はこれまで、こんな妙な爺さんをついぞ見かけたことがなかった。
老人は傍目もふらず、しずしずと歩いて行く。何かしら気違いめいた、この世の人ではないというような感じが、身辺にただよっている。不思議なことには、二匹とも犬は綱がつけてない。動物どもは老人の歩くまにまに、眼に見えぬ糸で引かれるように、彼のあとに従っているのだ。