후리가나로 읽는 일본 고전
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 人間豹(にんげんひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,989자 · 311화면
やや一時間もたったころ、彼が疲れてうずくまっていた時、突如として、板壁の向こう側から、女の悲鳴が聞こえてきた。長くつづく、死にもの狂いの悲痛な叫びであった。
神谷はそれを聞くと、たちまちその恐ろしい意味を悟った。そして俄かに高鳴る心臓の鼓動を感じながら、ピョコンと立ち上がって、隙間に眼を当てた。
そこには、予期していたものが、いや予期以上に恐ろしいものがあった。
豹の檻の前の土間に、一人の若い女が、髪を振り乱し、服は裂けて、肌もあらわに、両手で何かを防ぐ恰好をして倒れている。ここからは見えぬ入口から、駈け込んできたのか、いや多分は、何者かにつき飛ばされて、われにもなくこの部屋へ倒れ込んだものであろう。
神谷は一と眼見て、それが探し求めていた弘子であることを悟った。ああ、彼女は猛獣の部屋に投げ込まれたのだ。やがては、あの豹の檻がひらかれるのであろう。そして、血に餓えた猛獣は、舌なめずりをして、彼女の上に這い寄ることであろう。
彼は声を立てる力もなく、ただ板壁にしがみついて、全身に脂汗を流していた。
だが、彼の想像は当たらなかった。弘子を襲うものは、豹ではなくて、むしろ豹よりも残酷な人間であることが、やがてわかった。