후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
但しT君の注文にしたがって、関係者の姓名だけは特に書き改めたことをはじめに断わっておく。場所は単に伊豆地方としておいた。伊豆の国には伊東、修善寺、熱海、伊豆山をはじめとして、名高い温泉場がたくさんあるから、そのうちの何処かであろうとよろしく御想像を願いたい。T君の名も仮りに遠泉君として置く。
遠泉君は八月中旬のある夜、伊豆の温泉場の××館に泊まった。彼には二人の連れがあった。いずれも学校を出てまだ間もない青年の会社員で、一人は本多、もう一人は田宮、三人のうちでは田宮が最も若い二十四歳であった。
遠泉君の一行がここに着いたのはまだ明るいうちで、三人は風呂にはいって宿屋の浴衣に着かえると、すぐに近所の海岸へ散歩に出た。大きい浪のくずれて打ち寄せる崖のふちをたどっているうちに、本多が石のあいだで美しい蟹を見つけた。蟹の甲には紅やむらさきや青や浅黄の線が流れていて、それが潮水にぬれて光って、一種の錦のように美しく見えたので、かれらは立ち止まってめずらしそうに眺めた。五色蟹だの、錦蟹だのと勝手な名をつけて、しばらく眺めていた末に、本多はその一匹をつかまえて自分のマッチ箱に入れた。