후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
殊にどこからも注進をうけ取ったというでもなく、権右衛門一人の密告に因ってすぐに武者ぞろえを触れ出すというのは、どう考えても呑み込めないことである。しかしいつまでここで評議をしていても果てしがない。殊に軍陣の機密は女子どもの知るべきことでもないので、小坂部は不安ながらに采女に別れた。
館へ帰って、居間へ入って、かれは衣服を着換えようとしていると、侍従があわただしく転げ込んで来た。かれは侍女どもを遠ざけさせて、小坂部にささやいた。
「姫上。お前さま御不在の間に一大事が起こりました。」
「それは采女に聞きました。」と、小坂部はしずかに言った。「俄かに武者ぞろえのお触れが出たとやら。」
「そ、それでござりまする。」
「それが何とした。」
こちらが落ち着いているほど、相手は急いた。侍従の顔には藍を染めていた。
「お聴きなされませ。権右衛門どの御前へ出まして……。」
権右衛門が父の前に出て、いったい何を言ったのであろうか。慌てている侍従を取り鎮めて、小坂部はその子細をしずかに訊きただそうとする時に、侍女がかれを呼びに来た。
「殿が召されまする。姫上お戻りならば直ぐにまいれとの御意にござりまする。