후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
穴の中には勿論なんの調度らしいものも見いだされなかったが、入口の方には自然に吹き寄せられた落葉がうずたかく積もって、つめたい湿っぽい土の上に天然の筵を敷いているようにも見えた。疲れ切っている三人は土蛛のようにその穴に這い込んで、落葉の上にべったりと坐った。
男はすぐに戻るといって、川づたいに何処へか出て行った。ゆうべから夜通し歩きつづけて、飢えと疲れと寒さとに弱り果てた三人は、顔を見あわせたままで暫く黙っていた。
「あの男は何者であろう。」
采女はつぶやいた。敵か味方か気違いか、あるいは一種の聖者か邪教徒か、なんだか正体の知れない異国の眇目の男に、自分たち三人はその運命を托しているのである。ゆうべから今朝までの出来事をそれからそれへと考えると、小坂部はまだ夢を見ているようにも思われてならなかった。
「何者か、わたしにも判らぬ。」
「判りませぬ。」と、采女は鸚鵡返しに答えた。「しかし唯者ではござりませぬ。時の破目で、こうして誘われては来たものの、彼奴いよいよ不審と見ましたら斬って捨つるまでのことでござりまする。」
彼は太刀の柄を片手に握りしめながら言った。