후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
その噂が都まであまねく聞こえ渡った頃には、かの兼好法師は双ヶ岡の庵に安住していなかった。彼が書いてやった「なよ竹」の歌も、小坂部が書き残して行った「雪つもるなよ竹」の歌も、すべてむかしの夢物語になってしまった。彼はいよいよ荒れまさる都の姿を見るに堪えかねたのと、戦乱の塵がややもすればその草の戸にまで舞い込んで来るのを避けて、さらに伊賀国へ引き移って、国見山の麓にかくれていた。そうして、師直一門滅亡の噂がそこらの山里まではまだ伝わらない四月の初めに、かりそめの病いから安らかに入寂した。その墓の前にある日のゆうぐれ、美しい上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)がつつましやかに回向しているのを里びとの誰れ彼れが見たと言い伝えられた。
作者はこの以上に歴史を説こうとはしない。しかしこの物語の順序として、もう少し歴史上の主なる事件を列挙して置く必要がある。足利兄弟の和睦はふたたび破れて、さきの勝利者であった直義は却って兄のために毒殺されてしまった。それから四年の後に尊氏も死んだ。その後にも南北朝の争いは一日も絶えなかったが、北朝の明徳三年に南北朝の和議がはじめて整った。