후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
それについて、こんなことが伝えられている。この城の持ち主が代替りになるたびに、かならず一度ずつは彼の小坂部が姿をあらわして、新しい城主にむかってここは誰の物であるかと訊く。こっちもそれを心得ていて、ここはお前様のものでござりますと答えればよいが、間違った返事をすると必ず何かの祟りがある。現にある城主が庭をあるいていると、見馴れない美しい上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)があらわれて、例の通りの質問を出すと、この城主は気の強い人で、ここは将軍家から拝領したのであるから、俺のものだと、きっぱり云い切った。すると、その女は怖い眼をしてじろりと睨んだままで、どこへかその姿を隠したかと思うと、城主のうしろに立っている桜の大木が突然に倒れて来た。城主は早くも身をかわしたので無事であったが、風もない晴天の日にこれほどの大木が俄かに根こぎになって倒れるというのは不思議である。つづいて何かの禍いがなければよいがと、家中一同ひそかに心配していると、その城主は間もなく国換えを命じられたということである。こんな話が昔からいろいろ伝えられているが、要するに口碑にとどまって、確かな記録も証拠もない。