후리가나로 읽는 일본 고전
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なにもの
何者
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 何者(なにもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,449자 · 77화면
余談はさて置き、波多野司法主任は、
「足跡を踏まぬ様に気をつけて下さい」
と、二人の邪魔者に注意をしながら、無言で足跡を調べて行った。賊が低い土塀を乗り越えて逃げたらしいことが分ると、土塀の外を調べる前に、一度洋館の方へ引返して、何か邸内の人に頼んでいる様子だったが、間もなく炊事用の摺鉢を抱えて来て、最もハッキリした一つの足跡の上にそれをふせた。あとで型をとる時まで原型をくずさぬ用心である。
矢鱈にふせたがる探偵だ。
それから私達三人は裏木戸を開けて、塀の外に廻ったが、その辺一帯誰かの邸跡の空地で、人通りなぞないものだから、まぎらわしい足跡もなく、賊のそれ丈が、どこまでもハッキリと分った。
ところが懐中電燈を振り振り、空地を半丁程も進んだ時である。波多野氏は突然立止って、当惑した様に叫んだ。
「オヤオヤ、犯人は井戸の中へ飛込んだのかしら」
私は警部の突飛な言葉に、あっけにとられたが、よく調べて見ると、成程彼の云うのが尤もであった。足跡は空地の真中の一つの古井戸の側で終っている。出発点もそこだ。いくら電燈で照らして見ても、井戸のまわり五六間の間、外に一つの足跡もない。