후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
参覲交替で駿河守は江戸へ行かなければならなかった。
甲州街道五十三里を、大名行列いとも美々しく、江戸を指して発足したのは五月中旬のことであった。江戸における上屋敷は芝三田の四国町にあったが予定の日取りに少しも違わず一同首尾よく到着した。
一行の中には葉之助もいた。彼にとっては江戸は初で、見る物聞く物珍らしく、暇を見てはお長屋を出て市中の様子を見歩いた。
夏が逝って初秋が来た。その頃紋兵衛とお露とが江戸見物にやって来た。芝は三田の寺町へ格好な家を一軒借りてこれも市中の見物に寧日ないという有様であった。しかし二人が江戸へ来たのには実に二つの理由があった。
ふたたび葉之助が遠退いてからのお露の煩悶というものは、紋兵衛の眼には気の毒で見ていることは出来なかった。葉之助が殿に従って江戸へ行ってしまってからは、彼女は病いの床についた。そうしてこのままうっちゃって置いたら死ぬより他はあるまいと、こう思われるほどとなった。
「葉之助殿のお在でになる、江戸の土地へ連れて行ったら、あるいは気の晴れることもあろうか。そうして時々お目にかかったなら、病いも癒るに違いない」