후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
「何、大変と申したところで悪い意味じゃありませんよ。つまり素晴らしいと云ったまで。――そりゃア素晴らしゅうござんすよ。この辺に咲く山桜、あんなものじゃあありませんね。桃色大輪の吉野桜、それが千本となく万本となく、隅田の堤、上野の丘に白雲のように咲き満ちています。花見衣に赤手拭い、幾千という江戸の男女が毎日花見に明かし暮らします。酒を飲む者。踊りを踊る人。伽羅を焚いて嗅ぐものもある。……」
「まあ」――と山吹は感嘆の声を思わず口から洩らしたが、「そういう江戸には美しいお方が沢山おいででございましょうねえ」
「それは沢山おりますとも。それに扮装が贅沢ですよ。衣裳はお召し。帯は西陣。長襦袢は京の友禅縮緬。ご婦人方はお化粧をします。白粉に紅に匂いのある油……」
「まあ」
とまたも感嘆して山吹は溜息を洩らしたが、
「ああ妾行って見たい。ああ妾行って見たい!」と夢見るような声で云った。若い娘の好奇心と若い娘の虚栄心とから迸り出た声である。
「しめた!」と多四郎は思ったがそういう様子はにも出さず至極真面目の顔付きで、
「江戸へ行きたいとおっしゃるので? おいでなさりませご案内しましょう。