후리가나로 읽는 일본 고전
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くらのすけるす
内蔵允留守
山本 周五郎
山本 周五郎의 内蔵允留守(くらのすけるす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,082자 · 24화면
虎之助はそれを見送っていたが、やがて倒れて呻いている一人の側へ近寄り、柳の枝をその躯の上へ投出しながら、
「さあ返すぞ」と笑いながら云った、「……貴公がよい物を貸して呉れたので、誰にも怪我がなくて仕合せだった、帰ったら小十郎に云え、彼とはまだ勝負がついておらぬ、改めて立合いにまいるからと、忘れずに云うんだぞ」
相手は息を殺して動かなかった。虎之助はそのまま何事もなかったように川原をあがった、すると直ぐそこの叢林の中から、「岡田さま」と云って奈美が走り出て来た。虎之助は立止ってじっと娘の眼を瞶めた。奈美の眸子は、なにか訴えたげな烈しい光りを帯びていた。
「お祖父さまには内証ですよ」
「……はい」
「では帰りましょう、冷えてきました」
奈美は頷いてそっと虎之助の方へ身を寄せて来た、娘の黒髪に、小さな露の珠が光っているのを虎之助は認めた。
その明くる早朝であった。声高な人の話し声に眼を覚まされた虎之助は、声の主が別所家の留守宅の弥助老人だと分ったので、急いで着替えをして出た。もしかすると内蔵允の消息があったのかも知れない、そう思ったのである。手早く洗面を済ませて戻ると閑右衛門が独り縁側で茶を啜っていた。