후리가나로 읽는 일본 고전
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かわいいやま
可愛い山
石川 欣一
石川 欣一의 可愛い山(かわいいやま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 98,791자 · 196화면
狸の話に始まって怪談に終った。
狸の話には我々三人、顔を見合せて笑った。即ち前晩八時近く、宮本さんと重吉とが一日の仕事を終えて一と休みと炉をかこんでいた時、中ノ谷の方向に当って「オーイ!」と呼ぶ声が聞えた。これは変だ、今頃立山から人が来るには、いささか遅いし、それに越中の衆が「オーイ」と呼ぶ訳がない。きっと誰か案内者を連れぬ登山者が、路に迷ってウロウロしているに相違ない。見に行こうと小舎を出て、呶鳴っても返事がない。バルコニイにランプを置いて、この火を見たらどうにかこうにか歩いて来るだろうと、いつ迄待っても誰もやって来ない。
オーイ! とやったのはもちろん我々である。これが黒部の対岸から聞えずに、反対側の中ノ谷の方から聞えたのは、山の反響であろう。越中の人夫がオーイと言わぬのならば、宮本さん達も反響ということに気がついて、黒部川の方に注意しそうなものと思われるが、宮本さんにして見れば、今ごろ信州からぬけて来る奴がいるとは知る由もない。今年になってから二組平を訪れたが、いずれも富山から来ている。
我々は我々で北沢が呶鳴っても燈が見えないので(ランプは小舎の向う側に置かれた)、ハテ、日電の人はいないのかな、とも思い、そこで東信の小舎まで引き返した次第であるが、宮本さんと重吉とは気味が悪くなって来た。