후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜんこんどんこん
善根鈍根
佐々木 邦
佐々木 邦의 善根鈍根(ぜんこんどんこん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,638자 · 28화면
七
藤浪君は貞江夫人の顔を凝っと見つめて、小憎らしい奴だと思った。しかし脅しを封じられてしまったから、黙々として傾聴する外に仕方がなかった。恋しかった人が憎らしくなる。倦怠期、倦怠期と暗示が耳近くに鳴った。
七
面白くない数日が続いた後、貞江さんが急に折れて出た。口に現わさなくとも、態度でそれと知れた。藤浪君も多少反省するところがあって、何とかしてこの倦怠期に善処しなければならないと思っていた矢先だった。
「貞江や」
「何でございますか?」
「僕は考えた」
「何をお考えになりましたの?」
「昔に戻る訳さ。求婚時代をもう一遍そのまゝに演出して見たら何うだろう?」
「何うしますの?」
「あの頃、お前は新橋の駅で待ち合せてくれたじゃないか?」
「はあ」
「明日、お前、新橋で待っていない? 僕が後から行って、一緒に散歩をする。昔の通りにやるんだ」
「馬鹿々々しいわ」
「いや、悉皆あの頃の心持になって一日暮して見よう。屹度効果がある。正直なところを言うと、僕は少し昔を忘れ過ぎたようだ」
話が纒って、貞江さんは次の日曜に新橋駅の二等待合室で藤浪君を待っていた。藤浪君はその為め社を休むと意気込んだけれど、貞江夫人が承知しなかったから、日曜まで延期したのだった。