후리가나로 읽는 일본 고전
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
海野 十三의 地獄の使者(じごくのししゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,419자 · 152화면
死因は目下不明だ。終り」
たったそれだけのことをいい終ると、古堀医師は、部屋の一隅のカーテンの蔭にある大理石の洗面器の方へ歩きだした。
「ちょっと古堀さん」
と検事はあわてて裁判医を呼び停めた。
「死因は後頭部に於ける銃創じゃないんですか」
誰も皆、検事と同じ質問を浴びせかけたいところであろう。すると裁判医は、歩きながら首をかるく左右に振った。
「お気の毒さま。死因ハ目下不明ナリ。頸部からの出血の量が少いのが気に入らない……。死体はわしの仕事場へ送っておいて貰いましょう。解剖は午後四時から始まり、五時には終る」
老人は、ぶっきら棒にいった。死因は目下不明なり、頸部からの出血の量が少いのが気に入らない――との言葉は、俄然一同に大きな衝動を与えたらしく、そこかしこで私語が起った。多くはこんな明白な盲管銃創を認めるのを躊躇する古堀老人の頑迷を非難する声であった。
そんなことは意に介しないらしく、古堀裁判医は洗面器の方に歩みよった。
「やあ、これはすまん」
老人がいった。一人の長身の男が、古堀医師のために、洗面器のあるところの入口に下っている半開きのカーテンを押し開いて、老人が通りやすいようにしてやったからであった。