일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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よるのこうず

夜の構図

織田 作之助

織田 作之助의 夜の構図(よるのこうず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 62,068자 · 125화면

아오조라 문고

ところが、今、信吉は観客と一緒に、いや観客以上に、新内流しのメロディにうっとりとしてしまったのだ。おかしい。

「芝居ってやつは、不思議なものだ。いや音楽ってやつは不思議なものだ。こんな凡そ非芸術的なこんな、成っちゃいない芝居が、音楽効果があるだけで、どうしておれを、こんなに陶酔させるんだろう。おまけに、音楽自身、そんなに高級な音楽というわけじゃない。たかが新内じゃないか。――批評家はこの幕をこき下すだろう。おれだって、無論いいと思ってるわけじゃない。しかし、とにかくおれを陶酔させるのだ。こりゃ一体……」

どうしたことだろうと、考えたが、信吉には判らなかった。

ところが、次の幕で冴子が端役で出て来たのを見た時、信吉ははっと胸をあつくして、思いがけぬなつかしさにしびれてしまった。

「おれは冴子に惚れているのだろうか」

この発見は信吉を驚かせた。

「――まさか」

と、打ち消してみたものの、舞台の上の冴子を見ている自分の眼が、昨日の単なる好奇的な眼と違った燃え方をしていることは、もう否定できなかった。

冴子は田舎娘に扮して、絣の着物の裾から白い脛を出していた。