후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,172자 · 206화면
四人の子を控えた母親として、ことにまだ幼い二人のものを無事に育てたいとの心願から、お民もその決心に至ったのである。彼女はまた持って生まれた快活さで、からだもよく動く。頬の色なぞはつやつやと熟した林檎のように紅い。
ある日、お民は娘が嫁入りじたくのために注文して置いた染め物の中にまだ間に合わないもののあるのをもどかしく思いながら、取り出す器物の用があって裏の土蔵の方へ行った。入り口の石段の上には夫の履物が脱いである。赤く錆びた金網張りの重い戸にも大きな錠がはずしてある。ごとごと二階の方で音がするので、何げなくお民は梯子段を登って行って見た。青山の家に伝わる古刀、古い書画の軸、そのほか吉左衛門が生前に蒐集して置いたような古い茶器の類なぞを取り出して思案顔でいる半蔵をそこに見つけた。そこは板敷きになった階上で、おまんの古い長持や、お民が妻籠から持って来た長持なぞの中央に置き並べてあるところだ。何十年もかかって半蔵の集めた和漢の蔵書も壁によせて積み重ねてあるところだ。その時、お民は諸方の旧家に始まっている売り立てのうわさに結びつけて、そんな隠れたところに夫が弱味をのぞいて見た時は、胸が迫った。